2025年7月9日
外来植物、防除の夏
磐梯吾妻スカイライン沿線や浄土平周辺の登山道などで、目立つ色の花を見かけて、これ何だろう? と思ったことはないでしょうか。
開花中の植物には紹介されていないようだし・・・ その場合、外来植物かもしれません。
人や車の移動、補修工事の材料などに混じるなどして、山にもいつの間にか本来そこに無かった植物が入り込んで繁殖してしまうことがあります。
浄土平地区等で環境保全活動を行なっている自然公園財団 浄土平支部や裏磐梯地区パークボランティアなど関係機関では外来植物の防除作業を随時行なっています。
磐梯吾妻スカイライン、浄土平周辺もたいへんお客様の多い地区ですので、外来植物がたくさん入り込んでいます。
分かりやすい例では、浄土平の建物周辺などでセイヨウタンポポが春からたくさん開花しますが、すでに除去しきれない数が定着しています。もともとはここに無かった、あってほしくない植物の「開花情報」は通常、発信はしていません。
開花し、種が広がってさらに繁殖・拡大することを防ぐために開花期以前に除去することが重要になります。
現在、コウリンタンポポ、フランスギクの除去作業を集中的に行なっています。
たいへん繁殖力の強い「特定外来生物」オオハンゴンソウがこれから開花期を迎えますが、浄土平付近でオオハンゴンソウをほとんど見かけないのは、長年の地道な除去作業の継続があるからです。
もし何もしないで放置していた場合、あちこちで群落となって手に負えない状況になるでしょう(道路沿いなどで見かけたことがあるのではないでしょうか?)。
7月に入って、浄土平湿原でニッコウキスゲの開花が始まりました。
華やかで人気のある花ですが、浄土平には過去に人為的に持ち込まれた「移入種」とされています。
ニッコウキスゲも繁殖力は強いため放っておくとどんどん増えますが、過去に関係機関で話し合った対応方針に沿って、増えすぎない程度にコントロールする間引き作業を行なっています。
ほかにも黄色が鮮やかなセイヨウミヤコグサ、紫色の可憐なニワゼキショウなど、もとは園芸種と思われる外来種が磐梯吾妻スカイライン沿線などで見られますが、これらすべてに対応する手間はかけられないため、繁殖状況などを観察しながら、在来種を脅かすような存在になるようであれば今後、防除作業が必要となってくるかもしれません。
8月17日(日)にどなたでも参加できる裏磐梯エコツーリズム協会主催の外来植物セミナーがあります。
8/17〜8/31はパネル展示も行われます。
興味関心のある方はぜひお越しください!